アークテリクス(ARC’TERYX)の代表的なバックパック、『アロー22(ARRO22)』をご紹介します。
2012年に購入し、7年以上愛用しているユーザの視点で、アロー22の使い勝手や特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
高価なバックパックですから、購入前にぜひ参考にしてみてください。
目次
特徴
アロー22の特徴は以下のとおりです。
- 本格登山ブランドのバックパック
- 容量22リットル。普段使いから、一泊二日の旅行まで対応
- たくさん詰め込んでも「重く感じない」。バツグンの背負い心地
- ほぼ完全防水の安心感
- 7年使っても劣化しない丈夫さ
- 30代の男女が使える。シンプルな美しさ
では、アロー22はどんなシチュエーションに合うのか?
結論から言いましょう。アロー22は、普段使いからビジネス、一泊の旅行まで使えるオールラウンダー。かなりオススメのバックパックです。
スペック
ブランド | アークテリクス |
---|---|
商品名 | アロー22 |
タイプ | バックパック |
機能 | メインコンパートメント、フロントポケット、サイドポケット×2 | サイズ | W330×H510×D175mm | 重量 | 1kg |
素材 | コーデュラナイロン |
価格(税込み) | 29,160円 |
補足
掲載している写真について
本ページの写真は、2018年4月に撮影しています(購入してから5年ほど利用したアロー22の写真です)。
新型アロー22(2019年発売モデル)
2019年、アロー22がモデルチェンジされました。旧モデル(本ページで解説しているアロー22)は、今後廃盤になるとのこと。
2019年モデルでは見た目、素材、ポケット、内部構造が変更されています。ただし、旧モデルの方が優れているところもあります(メインコンパートメントの収納力などは、旧型の方が優れています)。
新旧の違いは、本ページでは解説しません。どちらを買おうか迷っている方は、以下ページもご参照ください。旧モデルと新モデルの違いについて、使い比べてみての違いを解説しています。
参考:2019年モデルのアロー22のレビュー。旧モデルとの違いを解説
使い勝手
アロー22は「バックパック」にカテゴライズされます。バックパックといえば、「野暮ったいデザイン」のイメージされるかもしれません。
しかし、アロー22は違います。
ブラックを基調としたカラー。流麗なフォルムの独特なデザイン。良い意味でバックパックのイメージをぶち壊してくれた、スタイリッシュな一品です。
正直に言いましょう。私が購入したきっかけも、ルックスです。バックパックらしからぬ、モード感漂うプロポーションにヤラれたから。初めて手にとったとき、そのデザインと、細部まで作り込まれている丁寧さに惚れ込んだからです。
実際、カッコいいとよく言われるので、ちょっと嬉しい。
ただ、ファッションとして「だけ」で判断されるのは、残念です。
なぜなら、私がアロー22を7年以上使い続けているのは、機能に満足しているから。本作の真髄は、バツグンの機能性にあります。登山ブランドが作っただけあって、とても「使える」バックパックだからです。
まずは私が惚れ込んだ「使い勝手」にフォーカスして、ご紹介しましょう。
一泊二日の旅行まで対応。22Lの収納力
アロー22の容量は、その名前が示すとおり22リットル。バックパックの中では、ミドルクラスに位置する収納量です。
たとえば、以下のシチュエーションでは、十分に満足できる収納力です。
- 普段の買い物
- 15インチのノートpcを持ち歩く
- 一泊二日の京都旅行
もっとたくさんの荷物があるとき、たとえば2泊以上するときはキツイ。もう少し大きなバックパックかスーツケースを使うようにしています。そんなときは、アロー22はサブですね。
アロー22には、4つのポケットがあります。
順にご紹介しましょう。
メインコンパートメント
まずは、もっともたくさん入る、メインのポケット。
一般的なバックパック同様、ダブルファスナータイプです。ファスナートップは大きくありません。これも一般的。使い勝手は普通です。
ファスナーを全開にすると、収納スペースがガバっと開く。なかなかここまで開くカバンはありません。アイテムが見やすく、出しやすい。
- 15インチのノートPC
- 服
- A4ノート
など、「大きくて、かさばるアイテム」はこちらに入れることになります。
サイズ感は、15インチのノートPCがジャスト。MacBook Pro 15インチにケースを付けてジャストサイズです。
PCを入れ、さらにミラーレスのカメラ。フリースくらいは入ります。
逆に、どういったアイテムが苦手なのかも紹介しましょう。
15インチPC以上のアイテムは、折らないと収納できません。洋服などは折りたたんでしまえば問題ないのですが、A3サイズの紙資料などそのままでは無理です。折りたたみたくないものは諦めましょう。(というか、A3を折りたままずに収納できるバックパックは、この世に存在しないのではないかと思うのですが)
また、リップクリームや、財布など、「小さなアイテム」も避けましょう。
アロー22の高さは、50cmくらい。当たり前ですが、最初に入れたアイテムほど下に詰まっていきます。小さなアイテムは、底の方に沈み込んでしまうため取り出しにくいんですね。
背面部にメッシュポケットがあります。中に入れたアイテムは少し透けて見えます。A5の本、iPadMiniがジャストイン。
ただし、ストンと下まで入るため、やや取り出しにくい。
このポケットの本来の役割は、ハイドレーションシステムです。水の入ったパックを入れて、登山のときに使うもの。そもそも頻繁に出し入れするアイテムではないので、普段の用途では無理にこのポケットを使う必要はありません。
フロントポケット
アロー22の顔。代表的な意匠ですね。アロー22のポケットの中で、もっともよく使っています。
センターラインをストレートに走るファスナー。ここがポケット。ゴムのような素材のファスナートップです。
メインコンパートメントのファスナーよりずっと持ちやすく、開け締めしやすい。こちらはシングルファスナーですね。
開くとこんな感じ。
縦はそこそこあるのですが、メインコンパートメントと比べると、奥行きは7cmくらい。あまり深くないので、厚みのあるもの、例えば服などは入りません。
たくさんのアイテムを入れると、選別が難しいため、2〜3品がベストだと思います。
ジーンズに入れたくない(入らない)。絶対に落としたくない貴重品、さっと取り出したいアイテムを入れるのに、最適なスペースです。
サイズは、A5の本で、ギリギリ入ります。
個人的には、以下のアイテムを入れています。
- 財布
- キーケース
- 文庫本
上部にはフックが付いています。カギなどを付けたりできますが、使い勝手はイマイチ。私は使っていません。
フロントポケットの下部が、「V字」デザインになっているのが伝わるでしょうか。
収納スペースもそのまま「V字」です。そのため、小さなアイテムは下部に収まることになります。そして取り出しにくい。リップクリームや爪切りなど、小さすぎるアイテムを入れるのはオススメしません。
サイドポケット1
ペットボトルなどを入れられるポケット。これ、とても大事です。私はこの機能が付いていないバックパックはセレクトしません。
ゴムでサポートされているから、口がキュッと閉まる。だから何も入れてないときもシュッと「締まる」スタイリッシュなルックスもお気に入り。野暮ったくないのです。
深さもソコソコあります。ペットボトルなど、太めのアイテムを入れてもゴムでホールドされるため、走っても落ちることがありません。さすがに、逆さにすると落ちますが。
小さなペットボトルだとこんな感じ。ちょっと顔を出すカタチで収まるので、十分に出し入れしやすいです。
完全に閉じるつくりではないので、貴重品を入れてはいけません。財布などは避けたほうがよいでしょう。
このポケットのカタチもユニークです。
見た目よりかなり大きい。私の手はバスケットボールを片手でつかめるので、平均よりも大きいはず。それでも、スッポリと入ります。
だから、小さなペットボトルだったら、横にしても入っちゃうんですね。
私の場合、以下のアイテムを入れることが多いです。(このすべてを収納することはできません。)
- ペットボトル
- 折りたたみ傘
- カメラの小さな三脚
- カイロ
- 手袋
最適な使い方は、歩いていてサッと仕舞って、パッと取り出したいアイテムを入れること。
慣れるとアロー22を背負ったまま、ノールックで出し入れできるため非常に使い勝手が良いです。(身体が硬い人はキビシイかもしれません)
サイドポケット2
サイドポケットは左右対称に付いています。もう片方を紹介しましょう。
バリバリと鳴る、マジックテープで留めます。
もうひとつのサイドポケットよりも、「よりキッチリと」閉まります。マジックテープも強めで、勝手に開いていたことは一度もありません。かなり信頼性が高いですね。
私の場合、カメラ用のSDカード&バッテリ。それと、香水、ハンドクリーム。
これくらいなら、まとめて入ります。
サイズはモバイルバッテリーがジャストサイズで入るくらい。旅行のとき、スマホを充電しながら使えて便利です。
ちなみにサイズは、サイドポケット1と同じです。
収納についてのまとめ
アロー22を横から見ると、少しカーブしています。
この独特のフォルムによって、「22リットル」よりも、少なく感じるかもしれません。
でも、それで十分でした。
私の用途では、1泊の旅行分までサポートしてくれるサイズで十分だからです。もっと沢山のアイテムを詰めるときは、もっと大きなカバンを使えば良いのです。
背負い心地がバツグンに良い
登山ブランドが作ったバックパックだけあって、「背負ったときの心地よさ」がとても優れています。
これはバックパックの良さを決める「キモ」です。背負いごこちが悪ければ、どんなにカッコよくても道具としては三流。ずっと使い続けることはできません。
では、アロー22の何が優れているのか?押さえてみましょう。
たくさん収納しても、重く感じない
バックパックとは両肩で支えるタイプのカバンです。重さを両肩に分散できるため、ショルダーバッグなどに比べて、「重いモノ」を長時間にわたって持ち運ぶのに、最適なカバンなのです。
で、アロー22のスゴイところは、「重いモノを入れても、重く感じない」こと。
ヒミツは、2cmほどある肉厚のショルダーパッド。一般的なバックパックと比べて、かなり厚みがあります。登山用の本格的なバックパックと比べてもあまり変わりません。スゴイ。
指で押してみると、跳ね返りのあるクッション性があることがわかる。弾力はかなり強い。
厚くて、クッション性能の高いパッドによって、重いものを背負ったときも、肩へのくい込みが起きにくい。だから長時間背負っていても苦にならないのです。
パッドが厚いため、カバン自体も重くなります。アロー22の重量は、約1kg。同サイズのバックパックと比べて、決して軽いとはいえません。
「とにかく軽いこと」を最優先にするなら、アロー22をセレクトするべきではないのです。例えばサイクリング専用なら、もっと適したバックパックがdeuterから出ていますね。
ただ、「軽さをウリにするカバン」は、ショルダーパッドが薄い。肩にくい込み、疲れやすいため「荷物を運ぶ」点において、決して快適ではないのです。
1kgの重量でも、背負うと不思議と重くないのは、このショルダーパッドがあるからです。
アロー22と同サイズのバックパックで、このレベルの背負い心地を実現しているものはありません。唯一無二のNo1です。
背負いやすく、外しやすい
ショルダーパッドは、サラリとした素材。肩にかけやすく、脱ぎやすい。これもグッドです。
表面はキズがつかないような素材。500デニールのコーデュラです。
表と裏で、異なるマテリアルが使われています。
細かいところですが、とても丁寧にデザインされていることがわかります。
表側は目に入るパーツですから、耐久性の高いコーデュラを使うことで、その美しいルックスを長年にもわたって楽しめるように作り込まれているんですね。
写真のアローは、長年使っている私物です。経年変化もなく、ほつれもない。非常に美しい表情を保てています。
背中にフィット”しない”カーブラインで、ムレにくい
バックパネルは、わずかにカーブしています。以下は5年使ったときの写真。型崩れせず流麗なフォルムを保っています。これはアロー22の背面に収納されている「下敷き」のようなパッドのおかげでしょう。
そして、このカーブラインも、アロー22の気持ちよさの「キモ」。
背中とバックとの間に隙間ができるため、密着しないのです。だから、ムレにくい。
バックパックを背負って活動すると、汗をかきます。特に背中は汗をかきやすいポイントですから、いかにムレを逃がすかがポイント。アロー22は、バックパックの背面をカーブさせ、「背中に密着させないフォルム」にすることで、ムレにくいデザインになっているわけです。
ちなみに、完全にムレないか?と問われれば、Noです。
そんなバックパックは存在しません。ムレが一切許せないなら、ハンドキャリーのカバンをセレクトしましょう。バックパックの時点で、背中にムレは生まれるのです。
バックパネルには、アークテリクスのロゴである始祖鳥がデザインされています。
サラリとした素材で、触れていて気持ち良いです。ぐにゃりと曲がらず固め。でも、押してみるとわずかに弾力がある、不思議な生地です。
ブラックなので汚れも目立ちません。
シチュエーションに合わせて、ショルダーストラップを調整できる
タウンユースなら、ちょっと緩めてカジュアルに。
締めるときは、キュッと引っ張るだけで。
どちらの操作も、背負いながら、カンタンにフィット感を調整できます。
自転車や登山、重いものを持ったときはキュッと締めて、身体にフィットさせる。
シチュエーションに合わせて調整することで、アロー22を背負ったときのルックスや、心地よさを調整できます。
おとなもこどもも、おねーさんも。みんな気持ちよく背負える
アークテリクスはカナダのブランド。カナダ人の平均身長は175cm。ガタイも良さそうですね。日本人よりも大柄な人向けに、デザインされているのかなと思いました。実際、アークテリクスのジャケットは、Sサイズでも177cmの私にピッタリです。
しかし、私の周りでアロー22を背負った人は、みんな快適だという。
そして私の身長は177cm。妹は162cm。パートナーは155cm。みんな身長も体型も違うのにです。
このヒミツは、両肩のフロントトップから出ているストラップ。これを調整することで、ショルダーパッドの、「カーブ」を変えることができるのです。
ガタイの良い人は、ストラップを緩めてカーブを緩めに。
痩せている人は、ストラップを縮めてカーブを強めにできる。
パッドのカーブを変えることで、あらゆる体型の人にジャストフィットするわけです。人によって身長や体型は違うのに、快適。これがアロー22のスゴいところなんです。
ちなみに、この調整ストラップは、登山用バックパックに付いている機能。だいたい2万円以上のバックパックにしか付いていません。
自転車にも最適
ロードバイクに乗るときも、アロー22を愛用しています。
ショルダーストラップをキュッと占めることで、かなり身体にフィットします。
さらに前傾姿勢をとるロードバイクの場合、アロー22のカーブしたバックパネルが、背中をなぞるように密着するのです。
さらにチェストストラップをつなげれば、横揺れも押さえられる。だから、身体が左右に揺れるライドのときも、カバンはぶれない。快適なんですね。
もともとアロー22は、デザイナー自身が自転車通勤用に作ったバックパックだそう。
仕事に必要なものをひとまとめにして、自転車でも使えるようにデザインされているわけです。
- 15インチのノートPC
- 数冊の本
- 財布などの貴重品
もちろん、「速く走る」ためのサイクルバックなら、もっと適したものがあります。
そういったものをお探しなら、ティンバック2や、deuterからセレクトすれば良い。
私がアロー22を使うのは、買い物だったり、「そこそこの荷物」を入れるかもしれないシチュエーションに最適だからです。
完全防水だから、雨の日でも安心
フロントパネルはテントのような素材で、水を一切通しません。
「水たまり状態」になっても、一切水は通さない。
バツグンの防水性です。こんな状況になることはないと思いますが・・・。
もし、ファスナーが少し開いていたりして水が入っても大丈夫。ポケットの下部に、水が抜ける穴が2つあるので、ここから排水されます。
さらにメインコンパートメントとの仕切りも、完全防水の素材。つまり、フロントポケットに水が入っても、メインコンパートメントには浸水しないのです。
残るはファスナーですが、これも問題なし。
メインコンパートメントとフロントポケットには、止水ジッパーが使われているからです。
ファスナーテープがピタッと閉じていて、生地(ファスナーテープ)が見えないですよね。
ファスナーテープが止水コーティングされているため、ファスナーの開け閉めに少し力が要ります。引っかかることはありませんが、一般的なファスナーに比べると、少し固いと感じるはず。これは6年目も感じます。
止水ジッパー。今では登山ブランドのバックパックでよく見るようになりましたが、実はアークテリクスが元祖。YKKとの共同開発で、世界で初めて実現した止水ジッパーがアロー22には搭載されています。
ちなみに、アークテリクスのバッグすべてに止水ジッパーが使われているわけではありません。安価なモデル、軽量をウリにするモデルでは採用されていません。
素材が水を通さず、さらにファスナーも水を通さない。だから、安心してパソコンやカメラを持ち歩けます。
防水じゃないところ
フロントポケットの穴
背面ポケットは完全防水ではありません。穴から水が入りこんでしまうことがあるのです。
例えば、カバンに雨がかかってしまうと、カバンをつたって垂れてきた水が、穴から入り込んでしまう。
ポケットの内部構造は「V字」になっているので、「小さなアイテム」などはこの穴の近くに沈み込むことになります。穴の位置より上は水が抜けるわけですが、穴の位置より下は水が溜まるため、収納したアイテムが少しだけ水に濡れてしまうのです。
傘で防ぎきれない大雨の日に体験していまして・・・、ポケットに入れていたコードバンの財布が濡れてしまいました。
なお、回避策はあります。大きな傘を使って、リュックを濡れないようにする。または、リュックを前に持って、雨水が穴に入らないようにすれば良いでしょう。
サイドポケット
サイドポケットは防水ではありません。アイテムは濡れてしまいます。メッシュ構造になっているのは水が貯まらないようにです。取り出しやすいポケットですが、濡れたら困るものは避けたほうがよいでしょう。
取り回しの効く、持ちやすいハンドル
トップには小さなハンドルが付いています。ループが小さいため、正面から見ても主張しない(ハンドルが目立たない)。だからダサくない。
ハンドルは、ショルダーパッドのようにクッション性はありません。カッチリとした芯が入っています。だから、たくさんの荷物を入れた状態で持っても、たわむことがない。ループの小ささと相まって、物理的にプラプラしないのもGoodです。
逆にデメリットは、「手」に負荷がかかるため、長時間持つのには、向いていない。疲れるし、痛みが増すはず。ですが、そもそもアロー22はバックパックですから、こういったスタイルで長時間持つことはまずありません。このデメリットはあまり感じたことがないため、無視して良いかなと思います。
置き場所には少し困るかもしれない
アロー22の下部は、地面と水平ではなくて、斜めにエッジのあるデザイン。
だから、床に置いて自立させることはできません。倒れます。
つまり、壁に立てかけるか。
ハンドルでかけるか。
この2つになります。
美しいプロポーション
独特の美しいフォルムは、やはり目を引きますね。
カチッとした素材で作られているため、アイテムを入れなくてもある程度のボリューム感があります。以下の写真は、荷物を入れていません。
これは好みが分かれるかもしれません。
収納が少ないときは、コンパクト・スリムになってほしい。そう考えるならアロー22は合わないでしょう。ただ、そういったバックパックはトレイルラン用がほとんどで、だいたいイケてません。
なお、アロー22は、縦50cmくらいあります。
どの「身長」の人でもカッコいいか?というと、これは微妙かと思います。見た目のバランス感でいうと、160cm以上ある人の方が、背負ったときの姿が美しく感じます。
スーツでも使える。オンオフ問わないオールマイティなルックス
今日ではスーツ×バックパックという組み合わせも少なくないですね。
アロー22は比較的落ち着いたルックスですから、ギリギリスーツで使えるのではないでしょうか。
実はアロー22を買うときに、カリマーと迷ったのですが、ジャケットスタイルと合わせるなら遊びが強すぎると思ってアロー22にしたのです。今でも正解だったと思っています。
20年以上、デザインが変わらないスゴさ
アロー22の発売は、1998年。
その後もずっと販売が続き、今やアークテリクスの「顔」といえるバックパックになりました。
その間、フォルムや機能は、ほとんど変わっていません。
20年前のアロー22も、今のアロー22も、ほとんど違いはないのです。
この「変わっていない」ことが、優れたプロダクトデザインの裏付けです。
他ブランドは、毎年新しいモデルを発表しています。
もっと言うと、アークテリクスでさえ、新しいものをつくり、そして廃盤になっています。
新しいカバンはトレンドに沿ったものが多く、センセーショナルでモダン。だから人目を惹くわけです。が、トレンドはいずれ廃れます。言い換えると「飽きる」のです。
- お茶をいれる道具、急須
- 椅子、ウェグナーのY-チェア
どれも異なるプロダクトですが、50年以上経った今でも、そのカタチはほとんど変わっていません。
共通することは、「生活に溶け込み、人が使う道具として優れている」こと。
良いデザインとは、いかに自然に人の生活に溶け込むか。だと思います。そういった点においても、アロー22は大変優れている。
決して派手ではない。余計な装飾もない。とてもシンプルだけれども、20年経った今でさえ、古臭さを感じないのは、プロダクトデザインが優れているからなのです。
何年使っても劣化しにくい
長年にわたり使ってきたアロー22は、新品同様とはいえません。しかし、かなりキレイな状態です。
サイドポケット
1,000回以上は出し入れしているはずです。しかし、テンションが緩まることもなく、未だ現役。凄まじい耐久力です。さすがは登山ブランド。
フロント
フロントパネルは、白い汚れのような物が見えます。(この後キレイにする写真あり。)
バック下部
あまり傷ついていませんね。下部もコーデュラ。非常に強度のあるナイロンが網目状に組まれています。沖縄旅行などではビーチに投げてましたし、道路に置いたりもしていたのですが、ほつれは一切ありません。スゴイ。
パッド接合部
ボディとパッドの接合部は、もっとも負荷のかかるポイント。安物のカバンはここがダメになります。しかし、アロー22は、一切ほつれなし。
他のバックと比べてみて
少し比べてみましょう。
同時期に買った、トレイルラン用のバックパックがこちら。
表装は色落ちし、プリントが禿げています。
内装も剥がれている、酷い状態。
アロー22ではこのような劣化はありません。長く使えるカバンとしても優秀なのです。
基本的にメンテナンス不要
私はズボラなので、日常的にメンテナンスはしません。
でも、問題なかった。
どのパーツも強度があり、耐久性が高いため、劣化したように見えないのです。
フロントパネルは、他のモノとぶつかったりすると、白く跡がついたりします。
BEAMSなどに置いてあるアロー22は、このフロントパネルが白く汚れたように見えるものもあります。正直、こういった汚れは付きやすいのですが、手で払えばほとんど無くなります。
こちらは汚れの付着。白い汚れは目立ちやすいですね。
汚れが気になったら、ジャブジャブと丸洗いすればOK。
こんな感じで、軽くこすってカンタンに汚れがとれます。やはりベースが黒だと汚れやキズが目立たなくなって良いですね。もし白っぽい生地だったら、完璧には除去できないと思います。
最初は撥水が効いていて、水もツルリと弾いた気がするのですが、濡れた感じになりますね。もちろん、中には浸透しません。
撥水が欲しいなら、防水スプレーをかければ復活するでしょう。私はズボラですし、そもそもアロー22は防水なので、必要ないと思います。
ちょっと湿った状態になりますが、このまま壁にでも掛けておけばOK。すぐに乾きます。
なぜ、お店によって値段が違うのか。どこで買うべきか
値段の違いについて
amazonで調べると、いくつも出品されています。
29,160円が定価。
アロー22に限らず、海外で生産されるアイテムは「代理店」を通して販売されます。
工場→問屋→国外発送→国内代理店→問屋→国内ショップ
と、多くの業者が関わるためコストがかかります。もちろん、輸送費も。国内代理店は、本物保証をしてくれる立場。他にもアイテムの検品をしているから、この定価なのです。
一方で、amazonや楽天で、「並行輸入品」と書かれたものがあります。これらは、国内代理店を通していません。だから安いのです。
どこで買うべきか
正規品にコダワルなら、BEAMSなど正規代理店から販売されているものを買うのが良いでしょう。
とにかく安く手に入れたいなら、amazonなどで「並行輸入品」を検討してみてもよいでしょう。ただし、「本物」にコダワルなら、よく考えてください。
amazonで買うなら「この商品は、Amazon.co.jp が販売、発送します。」と記載されたものをセレクトしましょう。気に入らなかったら返品無料なので安心。
販売業者はちょくちょく変わるので、購入時に「どの業者が販売しているか」を必ずチェックしましょう。
amazonや楽天のようなサイトでは、いくつものショップが出品しています。「ショップ」から買うなら、ショップのレビューをちゃんと見てください。信頼できないなら、避けたほうがよいでしょう。
あとがき
カリマー、マムート、モンベル、…。アロー22を買う前に、様々なバックパックを見に行きました。
しかし、ルックスと背負い心地のバランスがとれたものは無くて、アロー22をセレクトしたわけです。
結果は、正解。
バックパックをいくつも持っているのだけど、その中でも使用頻度はNo1。今日も使い続けている、オススメの一品です。
もちろん、もっと軽いバックパックもあるし。もっとたくさん入るものもある。アロー22は、100人が100点を付ける、万能のバックパックではないのです(というか、そんなバックパックは存在しない)。
アロー22は、あくまでも道具。
- カッコいい
- 何年も使いたい
- 背負っていてキモチイイ
- 普段使い〜一泊二日の旅行
こういったシチュエーションでチョイスするなら、本当におすすめできる一品です。
安価なアイテムではありません。しかし、7年もの期間、歳を重ねても使い続けることができるデザインのバックパックとして、アロー22はNo1です。
ちょっと小さな16リットルモデルもラインナップされています。
参考リンク
2019年にモデルチェンジされたアロー22を購入しました。
https://func-wallet.click/bag/diff-arro22_old_2019/