財布の用途は明確です。
使い方からデザインするとありきたりな形に落ち着いてしまいます。
一方、当サイトで紹介した財布は、それぞれに明確な特徴があります。
一般的な財布とは一線を画する違いがあるんですね。
そういった特徴あるアイテムの発表を続けることこそが、
他との違いを明確にし、ブランド独自の強みとして広く知られることになるわけです。
これがブランディングの本質かつ、王道です。
こういったブランディングの結果、各ブランドのコンセプトや強みが明確になります。
例えば、
- YUHAKUは美しい色を楽しめる財布。
- エムピウは斬新な使い勝手の使いやすい財布。
- SUPER CLASSICは小さくて、携帯性の高い財布。
財布好きであれば、こういったブランドの特徴が分かると思います。
他ブランドにはないもの。
つまり、差別化こそがブランディング成功のキーになるわけですね。
今回は、そんな財布ブランドのブランディングを紐解いてみます。
YUHAKUとALBERTEに見るコンセプトの違い
ALBERTEは2015年にYUHAKUが立ち上げたブランドです。
いわばYUHAKUとは姉妹ブランドですね。
ALBERTEのコンセプトは「発明」。
既存のアイテムでは体験できなかった使い勝手を提供してくれていて、これがとても便利なのです。
見た目ではなく、財布の実質的な機能に注力するブランドです。
事実、財布の特徴を挙げると
- 軽く、薄い
- カードがとても使いやすい
- スタイリッシュな見た目
細部の仕上げももちろん丁寧です。
ですがそういった部分よりも、上述の特徴を体験できるブランドなのです。
こういったアイテムを新ブランドで提供しているんですね。
一方、
YUHAKUは豊富なアイテムをシリーズで分類しています。
例えば、
絵画的で重厚感のある色味のベラトゥーラ。
全体が霧がかった色合いのフォスキーア。
上記の2シリーズは染色の違いを、異なるシリーズで展開しています。
このように、異なる染色スタイルや、特徴を持ったアイテムは、新シリーズでリリースされてきました。
では、なぜ新たなシリーズではなく、ALBERTEを立ち上げる必要があったのでしょうか。
それは、YUHAKUのブランドイメージが強すぎるからです。
YUHAKUの特徴といえば、美しい染色をイメージしませんか?
こだわった仕上げは細部も丁寧で、どのアイテムも上質です。
ただ、一般の財布やカバン、ベルトなどど比べて、
使い方に違いがあるかというと、疑問符がつきます。
(そういった点では、エムピウやSUPER CLASSICに軍配があがるでしょう。)
ALBERTEは「発明」。
YUHAKUは「染色」。
違った特徴があるわけです。
評価され続けたYUHAKUの染色は、それ自体がブランドの特徴になっていて、色以外の特徴を当てはめるのが難しくなったわけです。
ですから、「発明」をコンセプトとするALBERTEのアイテムを、YUHAKUの新シリーズとしてリリースするのは難しいんですね。
仮にYUHAKUでリリースしたら、
YUHAKUの特徴(色の美しさ)は薄れ、
ALBERTEの特徴(使い勝手の良さ発明)も埋没したでしょう。
これらの特徴はブランドのファンに支持される大切な個性です。
別ブランドの立ち上げは、お互いのブランディングを続ける最適な決断だったわけです。
これが成功したことは、
両ブランドの個性的なアイテムから納得できるでしょう。
この考え方はどのブランドでも同様です。
たとえば、
エムピウが、色を美しく装飾しただけの財布を出すことは無いでしょう。
SUPER CLASSICが、「大きい財布abrAsus」を作るのもありえないわけです。
ネット通販とブランディング
財布はサイズの小ささから、インターネットを利用した通販でも人気があるアイテムです。
現物を見ずに購入できるのは、その用途が明確だからというのも理由の1つでしょう。
ブランドが好きということは、ブランドのコンセプトや特徴に惚れ込んでいるわけです。
YUHAKUなら色。
エムピウなら使いやすさ。というように。
ブランドのファンは、ネットでの購入に躊躇しません。
だからこそ、一度、期待を裏切ったブランドは窮地に立つことになります。
悪評がネットで出回りますから、ネットルートの販売が激減するわけです。
そして、ファンを失います。
エムピウやYUHAKUは長年ネット通販の売上が拡大しているとのこと。
これは、ファンの拡大と、ブランドへの信頼が高まっている証拠でしょう。
品質の低い財布を作るブランドはどんなに宣伝が上手くても、淘汰されるのです。
このサイトをご覧になっている皆さんも、財布を買う前にレビューを見ますよね?
悪評があれば、躊躇するはずです。
そういったブランドは、無くなっていきます。
まとめ
全ての要求を満足させる財布は無い。
これが私の意見です。
例えば、小さくて、たくさん入る財布というのはありえないわけです。
(満足しているという方も、自身が気づいていない要求がきっとあるはずです。)
財布に満足するポイントは1つです。
財布(ブランド)が打ち出したコンセプトと、あなたの要望が合うこと。
YUHAKUの財布の色味に満足できないなら、二度とYUHAKUの財布を買わないでしょう。
ですが、使い勝手の点で他の財布に敵わなくても、満足度は揺るがないはずです。
ブランド自身が掲げるコンセプトを、しっかりと製品に組み込むこと。
これこそが、王道かつ着実なファンをつかむブランディングなのです。